カナダの医療は不便なことが多いです。
日本でもカナダでも他の国でも、もちろん良し悪しはありますが、日本の医療システムに慣れているとカナダはかなり不便です。
そこでどういうシステムなのかを今回は紹介。
1、日本でいう開業医がない
カナダはファミリードクター制をとっています。
何か心身のことで相談がある時は、まず自分のファミリードクターに予約をとります。
診察を受けて必要なら処方、採血オーダー、画像オーダーなど。
専門医が必要なら紹介されます。
画像オーダーは、レントゲンはすぐ取れますが、私の地域では総合病院が少ないこともあり、MRIが必要だと半年後の予約、日本での常識を覆されます。
血液検査は、ライフラボというラボなどにいき、レントゲンなど画像検査も、その設備のある別の場所に行かなければならないので不便です。
専門医の紹介も早くて半年後から1年、しかし運がよければそこまで待たないこともあるので、ケースバイケースです。
ファミリードクターの予約がいつ入るかは、そのファミリードクターによりけりです。
よく聞くのが、予約が2週間後にしか取れなかったから症状がなくなっちゃったよ、という声。
私の彼氏のファミリードクターは全く良いドクターではなく、彼氏は自分のドクターに10年くらい会ってないのですが、処方が必要なこともあり一応そこの患者で登録しています。
ファミリードクターを変えたい時は、まず今のところを辞めて、ファミリードクターのない患者にならないと次を探せないという、非常に不便なシステムです。
最近私もファミリードクターをもてたのですが、そこは夕方でも電話相談ができます。
医師か看護師が電話相談に乗ってくれ、必要ならERにいくような感じです。
良いファミリードクターに当たればラッキー、よくなくてもファミリードクターがいるだけマシ、みたいな感じです。
ファミリードクターに予約が取れず、緊急で受診が必要な場合は、次のファミリードクターがいない場合と同じように、ウォークインクリニックやERを受診します。
私と娘はファミリードクターなしで7年間暮らしてきたのですが、カナダではこの、ファミリードクターをもてない人が非常に増えていることが大きな問題となっています。
①ER=救急外来:
これは緊急時のみをお勧めします。カナダでは救急外来でトリアージナースによるトリアージをまず受けます。
症状によって、その緊急度で赤、黄色、緑などの区分に分けられますが、例えば気道が閉塞している、脳梗塞症状が出ているなど、治療に一刻を争う場合は、どんなに前に待っている患者さん達がいても、命にかかわる、早い治療が必要な人の優先順位が上がります。
日本のように来た順番に診てもらうわけではないので、先を越されたと思う場合は、大体の場合、その人の方が治療の優先順位が高いということになります。
救急車で行ったから先に診察されるわけでもなく、救急車来院もトリアージの対象となります。
命に関わらないない症状だと、医師の診察までかなり待ちます。
風邪症状などでERに行ったら、8時間くらいは待つ覚悟です。たまたま空いてたら早いとは思いますが、風邪症状は病院にかかる症状ではないというのが、こちらでの一般認識です。
薬局で症状によって痛み止めや咳止め、鼻水の薬などを買って家で様子をみます。
薬局に薬剤師がいるので、相談に乗ってくれます。
骨折も重症とは感じますが、骨折によっては待てる場合もあるので、痛み止めをもらいながら待つような感じです。
重症度と緊急度というのは違い、重症な病気でも、治療が待てる場合はERでは長時間待つことになり、緊急度の高い患者を拾い上げて治療することが優先される場所である、ということを心に留めておいてください。
いつでも開業してる整形外科、消化器、呼吸器科、耳鼻科などにかかれる日本は便利だったなと思うわけです。
②Walkーin clinic、Urgent Care Clinic
これらのクリニックは、ERに行くほど緊急性はないけど、今日中には医師に診察してもらいたい場合に便利です。
基本的には予約なしでかかれ、早いもの順なので、緊急性のある場合はERにかかってください。
オンタリオの私の住んでいる地域には8つくらいこういうクリニックがあるのでどこかにはかかれるし、おそらくトロントにもこれらのクリニックはそこそこあります。
以前Twitterのフォロワーさん達に聞いたのが、バンクーバー、モントリオールには予約なしでかかれるクリニックがないということでした。
そうなると、病院に早くかかりたい患者さん達は全員ERに行かなくてはならず、ERがさらに混み、必要な治療を適切な時間に受けられないという影響が出てしまいます。
コロナ禍にこのウォークインクリニックの予約制が始まり、そのまま続けているところもあるようです。
ちなみにいくつかクリニックのある私の地域でもやはりERでの待ち時間はかなり長いですし、医療に関して問題は盛りだくさんです。
③電話相談、バーチャル診察
クリニックによってはバーチャル診察をオンライン予約をして受けられるところがあります。
オンタリオにはNP(ナースプラクティショナー)の、バーチャル診察クリニックがあり、評判が良いようです。
https://www.virtualcareontario.ca/
https://www.nevirtualcare.ca/
オンタリオではテレヘルス、811に電話すると、正看護師に電話相談ができます。
https://health811.ontario.ca/static/guest/home
2. Nurse Practitioner led clinicがある
カナダではナースプラクティショナーという資格があり、このナースプラクティショナーによって運営されているクリニックがあります。
ファミリードクターと同じような位置付けになり、普段の健康に関するフォローをします。
3.その他あれこれ
カナダ日本大使館のサイトに、クリニックについての情報がのっているので、こちらも参考になるかと思います。
https://www.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/iryo-kikan.html
ちなみに、トロントにある子供病院は世界的にも有名で、日本からも医師達が勉強にいっています。最先端の医療が受けられ、看護師も優れた人が多いと聞くし、看護に関しても日本より進んでいます。
もし子供に病気があったとして、それ自体は辛いことですが、ここにかかれると考えたらかなり安心だと思います。
長くなってしまったので今日はここまで。
また医療に関してはそのうち続きを書きます。
日本でもカナダでも他の国でも、もちろん良し悪しはありますが、日本の医療システムに慣れているとカナダはかなり不便です。
そこでどういうシステムなのかを今回は紹介。
1、日本でいう開業医がない
- ファミリードクター制を取っている
カナダはファミリードクター制をとっています。
何か心身のことで相談がある時は、まず自分のファミリードクターに予約をとります。
診察を受けて必要なら処方、採血オーダー、画像オーダーなど。
専門医が必要なら紹介されます。
画像オーダーは、レントゲンはすぐ取れますが、私の地域では総合病院が少ないこともあり、MRIが必要だと半年後の予約、日本での常識を覆されます。
血液検査は、ライフラボというラボなどにいき、レントゲンなど画像検査も、その設備のある別の場所に行かなければならないので不便です。
専門医の紹介も早くて半年後から1年、しかし運がよければそこまで待たないこともあるので、ケースバイケースです。
ファミリードクターの予約がいつ入るかは、そのファミリードクターによりけりです。
よく聞くのが、予約が2週間後にしか取れなかったから症状がなくなっちゃったよ、という声。
私の彼氏のファミリードクターは全く良いドクターではなく、彼氏は自分のドクターに10年くらい会ってないのですが、処方が必要なこともあり一応そこの患者で登録しています。
ファミリードクターを変えたい時は、まず今のところを辞めて、ファミリードクターのない患者にならないと次を探せないという、非常に不便なシステムです。
最近私もファミリードクターをもてたのですが、そこは夕方でも電話相談ができます。
医師か看護師が電話相談に乗ってくれ、必要ならERにいくような感じです。
良いファミリードクターに当たればラッキー、よくなくてもファミリードクターがいるだけマシ、みたいな感じです。
ファミリードクターに予約が取れず、緊急で受診が必要な場合は、次のファミリードクターがいない場合と同じように、ウォークインクリニックやERを受診します。
ファミリードクター探し:オンタリオ州だと、ファミリードクターを探すために登録するサイトがあり、登録して返事を待ちます。が、比較的早く連絡が来ることもあれば、永遠に来ないことも。あとは、友人や知り合いに、うちのファミリードクターが新しい患者募集してるよと教えてもらったり、近所のファミリードクターオフィスに連絡して、新患を受けているか確認するなどです。私の場合は、たまたま娘の不調でかかったウオークインクリニックの医師に誰かいないか聞いたら、紹介してもらえました。
私と娘はファミリードクターなしで7年間暮らしてきたのですが、カナダではこの、ファミリードクターをもてない人が非常に増えていることが大きな問題となっています。
- ファミリードクターのいない場合
①ER=救急外来:
これは緊急時のみをお勧めします。カナダでは救急外来でトリアージナースによるトリアージをまず受けます。
症状によって、その緊急度で赤、黄色、緑などの区分に分けられますが、例えば気道が閉塞している、脳梗塞症状が出ているなど、治療に一刻を争う場合は、どんなに前に待っている患者さん達がいても、命にかかわる、早い治療が必要な人の優先順位が上がります。
日本のように来た順番に診てもらうわけではないので、先を越されたと思う場合は、大体の場合、その人の方が治療の優先順位が高いということになります。
救急車で行ったから先に診察されるわけでもなく、救急車来院もトリアージの対象となります。
命に関わらないない症状だと、医師の診察までかなり待ちます。
風邪症状などでERに行ったら、8時間くらいは待つ覚悟です。たまたま空いてたら早いとは思いますが、風邪症状は病院にかかる症状ではないというのが、こちらでの一般認識です。
薬局で症状によって痛み止めや咳止め、鼻水の薬などを買って家で様子をみます。
薬局に薬剤師がいるので、相談に乗ってくれます。
骨折も重症とは感じますが、骨折によっては待てる場合もあるので、痛み止めをもらいながら待つような感じです。
重症度と緊急度というのは違い、重症な病気でも、治療が待てる場合はERでは長時間待つことになり、緊急度の高い患者を拾い上げて治療することが優先される場所である、ということを心に留めておいてください。
いつでも開業してる整形外科、消化器、呼吸器科、耳鼻科などにかかれる日本は便利だったなと思うわけです。
②Walkーin clinic、Urgent Care Clinic
これらのクリニックは、ERに行くほど緊急性はないけど、今日中には医師に診察してもらいたい場合に便利です。
基本的には予約なしでかかれ、早いもの順なので、緊急性のある場合はERにかかってください。
オンタリオの私の住んでいる地域には8つくらいこういうクリニックがあるのでどこかにはかかれるし、おそらくトロントにもこれらのクリニックはそこそこあります。
以前Twitterのフォロワーさん達に聞いたのが、バンクーバー、モントリオールには予約なしでかかれるクリニックがないということでした。
そうなると、病院に早くかかりたい患者さん達は全員ERに行かなくてはならず、ERがさらに混み、必要な治療を適切な時間に受けられないという影響が出てしまいます。
コロナ禍にこのウォークインクリニックの予約制が始まり、そのまま続けているところもあるようです。
ちなみにいくつかクリニックのある私の地域でもやはりERでの待ち時間はかなり長いですし、医療に関して問題は盛りだくさんです。
③電話相談、バーチャル診察
クリニックによってはバーチャル診察をオンライン予約をして受けられるところがあります。
オンタリオにはNP(ナースプラクティショナー)の、バーチャル診察クリニックがあり、評判が良いようです。
https://www.virtualcareontario.ca/
https://www.nevirtualcare.ca/
オンタリオではテレヘルス、811に電話すると、正看護師に電話相談ができます。
https://health811.ontario.ca/static/guest/home
2. Nurse Practitioner led clinicがある
カナダではナースプラクティショナーという資格があり、このナースプラクティショナーによって運営されているクリニックがあります。
ファミリードクターと同じような位置付けになり、普段の健康に関するフォローをします。
ナースプラクティショナー:正看護師が大学院で学び国家試験に受かると得られる国家資格です。独立した専門職として、診断、処方、検査オーダーができます。
日本では診療看護師=ナースプラクティショナーと呼ばれる仕事はあり、大学院に進学し資格試験に合格する必要がありますが、まだ国家資格ではないこと、医師の指示のもとで動くことになるところが、カナダのナースプラクティショナーとの大きな違いです。
3.その他あれこれ
カナダ日本大使館のサイトに、クリニックについての情報がのっているので、こちらも参考になるかと思います。
https://www.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/iryo-kikan.html
ちなみに、トロントにある子供病院は世界的にも有名で、日本からも医師達が勉強にいっています。最先端の医療が受けられ、看護師も優れた人が多いと聞くし、看護に関しても日本より進んでいます。
もし子供に病気があったとして、それ自体は辛いことですが、ここにかかれると考えたらかなり安心だと思います。
長くなってしまったので今日はここまで。
また医療に関してはそのうち続きを書きます。
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