2024年05月

前回の続きで、カナダの医療について。

カナダはアメリカと違って皆保険制度なので、病院での診察や処置、入院などが基本的には全て無料なのは良いところですが(不便さはここでは置いといて)、薬代や歯の治療費、眼のクリニック受診は自己負担です。

ただ、職場のベネフィットに入っていると、薬代、歯の治療費、眼の関係も補助が受けられることが多いです。

ベネフィットはその職場によりけりですが、私の職場のものは、薬代はほぼ無料、歯の3ヶ月毎の定期クリーニングや簡単な治療も自己負担なし、お金のかかる処置もかなり負担してもらえます。

眼の定期検診も無料で、眼鏡やコンタクトレンズなどは二年間で五万円の補助が受けられます。

ちなみにカナダでは眼鏡がかなり高くて五万円以上することも多いので、私は日本で三万円弱の眼鏡を作ってこちらの職場のベネフィットで補助を申請しました。
コンタクトレンズもベネフィットで返金してもらってます。

私が受けたベネフィット

  • 静脈麻酔下で親不知を三本抜歯、トータル20万円くらいのところ、自己負担2.5万ほど。
  • 抜歯後の痛み止め+抗生剤無料。
  • ミレーナ(子宮内避妊具)4万円が無料。
  • ピル無料。
  • 眼鏡全額補助
  • コンタクトレンズ全額補助

歯に関しては、年収90,000ドル(年収約1000万円、1カナダドル=115円)より低い家庭で、職場のベネフィットがない、プライベート保険に入っていない人達には補助がでます。

アイクリニックでの眼の定期検診は、オンタリオでは20才までと、65才以上は無料です。

病院で受けるような歯科系の手術、眼科系の手術については州の保険が適応になるので、無料となります。

カナダで雇用されている人は、雇用先のベネフィットで補助が色々と出るので、それをきちんとチェックしておくと良いと思います。
ベネフィットといえども、結局給与からベネフィットのお金が引かれてるので。

歯も眼も薬も大切なので、費用が払えない人達に補助が出るのは当たり前かなと個人的には思いますが、デンタル補助は、子供へは2022年、それ以外の年齢は昨年から始まり、遅かったなとは感じます。

まだまだ問題の多い医療システムですが、使える補助は使っていきたいですね。


カナダの医療は不便なことが多いです。
日本でもカナダでも他の国でも、もちろん良し悪しはありますが、日本の医療システムに慣れているとカナダはかなり不便です。
そこでどういうシステムなのかを今回は紹介。


1、日本でいう開業医がない
  • ファミリードクター制を取っている
日本でよく見る開業医がありません。
カナダはファミリードクター制をとっています。
何か心身のことで相談がある時は、まず自分のファミリードクターに予約をとります。
診察を受けて必要なら処方、採血オーダー、画像オーダーなど。
専門医が必要なら紹介されます。
画像オーダーは、レントゲンはすぐ取れますが、私の地域では総合病院が少ないこともあり、MRIが必要だと半年後の予約、日本での常識を覆されます。
血液検査は、ライフラボというラボなどにいき、レントゲンなど画像検査も、その設備のある別の場所に行かなければならないので不便です。
専門医の紹介も早くて半年後から1年、しかし運がよければそこまで待たないこともあるので、ケースバイケースです。

ファミリードクターの予約がいつ入るかは、そのファミリードクターによりけりです。
よく聞くのが、予約が2週間後にしか取れなかったから症状がなくなっちゃったよ、という声。
私の彼氏のファミリードクターは全く良いドクターではなく、彼氏は自分のドクターに10年くらい会ってないのですが、処方が必要なこともあり一応そこの患者で登録しています。
ファミリードクターを変えたい時は、まず今のところを辞めて、ファミリードクターのない患者にならないと次を探せないという、非常に不便なシステムです。

最近私もファミリードクターをもてたのですが、そこは夕方でも電話相談ができます。
医師か看護師が電話相談に乗ってくれ、必要ならERにいくような感じです。

良いファミリードクターに当たればラッキー、よくなくてもファミリードクターがいるだけマシ、みたいな感じです。

ファミリードクターに予約が取れず、緊急で受診が必要な場合は、次のファミリードクターがいない場合と同じように、ウォークインクリニックやERを受診します。
ファミリードクター探し:オンタリオ州だと、ファミリードクターを探すために登録するサイトがあり、登録して返事を待ちます。が、比較的早く連絡が来ることもあれば、永遠に来ないことも。あとは、友人や知り合いに、うちのファミリードクターが新しい患者募集してるよと教えてもらったり、近所のファミリードクターオフィスに連絡して、新患を受けているか確認するなどです。私の場合は、たまたま娘の不調でかかったウオークインクリニックの医師に誰かいないか聞いたら、紹介してもらえました。

私と娘はファミリードクターなしで7年間暮らしてきたのですが、カナダではこの、ファミリードクターをもてない人が非常に増えていることが大きな問題となっています。


  • ファミリードクターのいない場合
ファミリードクターがいない人は、体調が悪くなったらどうするかですが、いくつか選択肢があります。


①ER=救急外来:
これは緊急時のみをお勧めします。カナダでは救急外来でトリアージナースによるトリアージをまず受けます。
症状によって、その緊急度で赤、黄色、緑などの区分に分けられますが、例えば気道が閉塞している、脳梗塞症状が出ているなど、治療に一刻を争う場合は、どんなに前に待っている患者さん達がいても、命にかかわる、早い治療が必要な人の優先順位が上がります。
日本のように来た順番に診てもらうわけではないので、先を越されたと思う場合は、大体の場合、その人の方が治療の優先順位が高いということになります。
救急車で行ったから先に診察されるわけでもなく、救急車来院もトリアージの対象となります。
命に関わらないない症状だと、医師の診察までかなり待ちます。
風邪症状などでERに行ったら、8時間くらいは待つ覚悟です。たまたま空いてたら早いとは思いますが、風邪症状は病院にかかる症状ではないというのが、こちらでの一般認識です。
薬局で症状によって痛み止めや咳止め、鼻水の薬などを買って家で様子をみます。
薬局に薬剤師がいるので、相談に乗ってくれます。
骨折も重症とは感じますが、骨折によっては待てる場合もあるので、痛み止めをもらいながら待つような感じです。
重症度と緊急度というのは違い、重症な病気でも、治療が待てる場合はERでは長時間待つことになり、緊急度の高い患者を拾い上げて治療することが優先される場所である、ということを心に留めておいてください。

いつでも開業してる整形外科、消化器、呼吸器科、耳鼻科などにかかれる日本は便利だったなと思うわけです。


②Walkーin clinic、Urgent  Care Clinic
これらのクリニックは、ERに行くほど緊急性はないけど、今日中には医師に診察してもらいたい場合に便利です。
基本的には予約なしでかかれ、早いもの順なので、緊急性のある場合はERにかかってください。
オンタリオの私の住んでいる地域には8つくらいこういうクリニックがあるのでどこかにはかかれるし、おそらくトロントにもこれらのクリニックはそこそこあります。
以前Twitterのフォロワーさん達に聞いたのが、バンクーバー、モントリオールには予約なしでかかれるクリニックがないということでした。

そうなると、病院に早くかかりたい患者さん達は全員ERに行かなくてはならず、ERがさらに混み、必要な治療を適切な時間に受けられないという影響が出てしまいます。
コロナ禍にこのウォークインクリニックの予約制が始まり、そのまま続けているところもあるようです。

ちなみにいくつかクリニックのある私の地域でもやはりERでの待ち時間はかなり長いですし、医療に関して問題は盛りだくさんです。


③電話相談、バーチャル診察
クリニックによってはバーチャル診察をオンライン予約をして受けられるところがあります。
オンタリオにはNP(ナースプラクティショナー)の、バーチャル診察クリニックがあり、評判が良いようです。

https://www.virtualcareontario.ca/
https://www.nevirtualcare.ca/

オンタリオではテレヘルス、811に電話すると、正看護師に電話相談ができます。

https://health811.ontario.ca/static/guest/home


2. Nurse Practitioner led clinicがある

カナダではナースプラクティショナーという資格があり、このナースプラクティショナーによって運営されているクリニックがあります。
ファミリードクターと同じような位置付けになり、普段の健康に関するフォローをします。

ナースプラクティショナー:正看護師が大学院で学び国家試験に受かると得られる国家資格です。独立した専門職として、診断、処方、検査オーダーができます。
日本では診療看護師=ナースプラクティショナーと呼ばれる仕事はあり、大学院に進学し資格試験に合格する必要がありますが、まだ国家資格ではないこと、医師の指示のもとで動くことになるところが、カナダのナースプラクティショナーとの大きな違いです。

3.その他あれこれ

カナダ日本大使館のサイトに、クリニックについての情報がのっているので、こちらも参考になるかと思います。

https://www.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/iryo-kikan.html


ちなみに、トロントにある子供病院は世界的にも有名で、日本からも医師達が勉強にいっています。最先端の医療が受けられ、看護師も優れた人が多いと聞くし、看護に関しても日本より進んでいます。
もし子供に病気があったとして、それ自体は辛いことですが、ここにかかれると考えたらかなり安心だと思います。


長くなってしまったので今日はここまで。

また医療に関してはそのうち続きを書きます。






こんにちは、Mikiです。
少し前に、ただの私個人のつぶやきに突っかかってくるクレイジーな人たちが増殖してそれを見た家族が心を痛めていたのでTwitterをやめたのですが、結構入り浸っていたため、今その空いた時間何をしているかというと、まあ特に特別なことはしていなくて。

フルタイムの仕事、大学院の勉強。
あとは、夏のバケーションでスコットランドに行くので、その計画を立てています。

そこで、スコットランドについて書こうかなと思います。

前回スコットランドに行った時は娘は留守番だったので、今回は娘を連れて、私の彼氏と娘と私の3人での旅行です。

スコットランドは近年旅行先としてかなり人気が高まっているようで、首都のエジンバラ、スカイ島(Isle of Skye)など旅行者に人気のある場所では、泊まるところは早い人で1年前から確保しているようです。
私が宿を予約したのは4月、なんとか確保できましたが、高いところかユースホステルくらいしか残ってなかったです。

彼氏の兄達と姉家族がグラスゴーやエジンバラ近辺に住んでいるので、その近辺での観光の時はそれぞれの家に泊めてもらえるそうで、非常に助かります。

今回の旅行では、前回行けなかったスカイ島はもちろん、エジンバラから北へドライブし、インバネスという町、ネス湖、オバンという港町に寄る計画です。

アウトランダーという、スコットランドを舞台にした歴史ファンタジードラマは、もちろんチェック済み。
前に一度全シーズン見終わったのですが、また始めから見てます。

あとは、スコットランド旅行tipsというフェイスブックグループに参加し、そこから色々と情報をゲット。

スコットランドといえば
  • タータンチェックのキルトとバグパイプ
  • ウイスキー
  • 広大な自然
  • ネス湖のネッシー
  • エジンバラ城を街の中心に抱く都市エジンバラ

などでしょうか。

そもそも彼氏と付き合う前はスコットランドの位置すら怪しかった私ですので、スコットランドに関係がない人は知らないことも多いでしょう。

キルト
あのよく見るキルト、タータンチェックのスカートですが、スカートというと彼氏にキルトだと毎回訂正されるので、正しくキルトと呼ぶのが失礼がないのかなと思います。
現在は日常的にキルトを履いている人はほぼいないようですが、結婚式や特別な行事などでキルトを履くことが多いようです。

以前参加した彼氏の姪の結婚式では、新郎と、姪の父親(私の彼氏の兄)、新郎側の親戚がキルトでした。

このスコットランドの結婚式もかなり面白くて、とても良い経験をさせてもらいました。
新郎側のベストマン(花婿の付き添い人)のアイリッシュ訛りが強く、全く何を言っているのか理解ができなかったり、披露宴が延々と続き8時間経って深夜になってもまだお開きになる様子がなかったり。
とにかく飲んで踊ってという感じでした。
ダンスの名前は忘れてしまったけど、伝統的なスコティッシュダンスを一緒に踊りました。
本当に楽しかったです。


ウイスキー
ウイスキーは、アメリカ英語だとWhiskeyと綴りますが、スコットランド(ブリティッシュ英語)だと WhiskyとEがなくなります。
普段ウイスキーは飲みませんが、前回彼氏の家族に頂いたウイスキーはどれも美味しかったので、今回も楽しみにしてます。

蒸留所ツアーやウイスキーテイスティングも人気なようです。

自然
北はハイランドと言われる広大な大地や、島国ならではの海岸線、湖のあるあたりの自然や、西の方にある島々など、自然そのままの景色が多くの旅行者を魅了しているようです。
私達も、ハイランドを城や歴史物を見ながら散策したり、スカイ島でハイキングをする予定です。


ネッシー
ネッシーのいるネス湖があるのがスコットランドだと知ったのは、彼氏と旅行計画をする前でした。
ネッシーの銅像が湖のほとりにあるようです。

ちなみに湖は英語でLakeですが、スコットランドでは、Loch (未だに発音ができないのですが、chの部分が、空気を出すような音です)と言われます。
スコットランドでは英語はもちろん公用語ですが、ガーリック語 (Gaelic)という昔からの言葉がまだ使われていて、このLochはガーリック語から来ていて、他看板やお店のサイトなど、英語とガーリック語表記になっています。
アイルランドもGaelicを話すそうですが、そっちはゲーリックと発音するそうです。
この二つの言語表記、カナダで英語とフランス語表記になっているのと似ているなとは思いましたが、フランス語も英語もカナダの原住民たちの言語ではないので、意味合いは全く異なりますが。

エジンバラ

エジンバラはかなり美しい都市です。前回訪れた時はあまり時間がなくエジンバラ城に寄っただけですが、そこに行くまでの街並みが歴史を感じる建物ばかりで、言葉を奪われました。
イギリスの看護師の給料が良かったらエジンバラに移住を考えるのに、というくらい好きな街になりました。
まあ悪いとこは見てないので、きっと住んでみたら色々と不便もあるのでしょう。物価は高いようです。

あ、あと、スコットランドは水道水がすごく美味しいです。
特にカナダの私の住んでる地区の水道水はまずくて有名なので、前回スコットランドで水道水を飲んだ時にかなり違いを感じました。

そしてハギスという名物料理もあります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AE%E3%82%B9
好き嫌いは別れるようですが、私は大好きです。

ちなみにカナダドルはイギリスポンドに比べて非常に弱いので、旅行しても何をするにも費用が嵩んでしまうのが難点です。
日本円が安い今、おそらく日本旅行したほうがお得なんだと思いますが、この先待ってもカナダドルがイギリスポンドに対してあまり強くなることもないかなという気もします。(経済のプロではないので、勝手な想像です。)


最後に英語の違いを少し。
アメリカ英語ですとズボンのことをパンツ(Pants)とよぶのですが、イギリス英語では、ズボンはトラウザー(Trouzer)と呼び、パンツ(Pants)は日本語のパンツと同じようにアンダーウェアのことを指します。
またカナダではトイレのことを、バスルーム(Bath  Room)やウォッシュルーム(Wash  room)と呼びトイレ(toilet)は便器のことを指しますが、イギリス英語はトイレはトイレ(toilet)でOkです。


スコットランド良いところですので、興味のある方はぜひ旅行先の一つとして考慮してみてください。











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